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業界ニュース
2017年、当社の兵藤会長が「害虫駆除の達人」としてビートたけしさんと対談
2025.05.09
「達人対談」という連載企画に兵藤会長が登場
少し古い話になりますが、8年前に発行された新潮社の雑誌『新潮45』(2017年1月号、以下同誌。現在は休刊。)にて、兵藤会長がビートたけしさんの対談のお相手として選ばれました。この時の対談の内容を、少しご紹介させてください。
当社にとって喜ばしかったのは、「害虫駆除の達人」として兵藤会長が呼ばれたというところです。東化研の前身となる会社の創業者のひとりであり、現在当社が乾燥食品害虫の防除を得意としているのも、兵藤会長の知識や技術によるところが大きいといえます。実は動物が好きで、虫は嫌いだったという兵藤会長。いったんハム会社に入社したあと、友人に誘われる形で東化研を起こすところから話は始まります。当時の世相にも触れられていて、現代との違いが指摘されています。安全管理や食品衛生に関する注意喚起が広く行き渡っていない時代、人々は大らかで、クレームも少なかったと語られています。
たけし
子どもの頃の近所のラーメン屋なんか、「おじさん、虫が入っているよ」と指摘したら、「当たり!坊主、当たってよかったな」と(笑)。(同誌、p.250)
害虫防除の会社は数あれど、どこへでも出かけて現場を調べる兵藤会長のスタイルは抜きん出ているかもしれません。とにかく、現場を調べ尽くすこと、その姿勢を長年貫いたことで、だんだん見当がつくようになったと述べています。これは私たちも日々実感していることです。害虫防除の現場にはひとつとして同じものはありませんが、似ている環境や状況から推測できることはたくさんあります。害虫防除において、身を持って知った現場の数がどれだけ多いかというのは、一番のアドバンテージになるのです。
害虫防除が、時代の流れで社会にとって欠かせない仕事に
1970年代の後半になると、いわゆる「クレーム社会」の風潮が始まり、企業側がとても神経質になったという話題に。私たちの業種は、そういった時代の流れの中で、徐々に必要とされる存在になっていったのだと、既知の事実ではありましたが、改めて認識しました。その他、書籍などに付く身近な虫の生態や、思わぬところで発生した害虫の話などが披露されました。ワインのコルクの中に入るコクヌスト化の幼虫は、コルクの製作過程で付くという話や、タバコの葉で育つタバコシバンムシは、タバコの毒性を解毒する能力を持っているなど、兵藤会長の豊富な知識やエピソードが惜しみなく語られて、さすがだなーと思ってしまいました。
発生場所の特定が困難だったケースで、兵藤会長が海外まで行って原因を突き止め、その国の工場で熱心に指摘したというエピソードには、この職に就いている私たちが見習うべき信念と行動力にあふれていました。国が違えば、害虫防除の意識もまるで違うというのは、昔も今も変わらない事実なのでしょう。
そして話題は、現代の環境の変化についても触れられます。木材に付いていた木材害虫が、森林がなくなったことで木製のパレットに付くようになったり、建物が近代化したことで、密閉度が高くなり、虫が発生しやすくなったりしているという話。人間の住環境になじんだ虫が、休眠も越冬もしなくなるといったケースもありました。
兵藤
日本の気候風土に一番適していて虫も発生しないのは、正倉院のような建物なんですね。
たけし
冬は寒くて、すき間風が入る家がいいんだ(笑)。(同誌、p.258)
虫をとことん追究した兵藤会長ならではの見解
その後、話はゴキブリが自ら水を飲みに行く事実を実験で突き止めた話に。虫の生態を知るためにあらゆる可能性を考えて実験をしているという兵藤会長。会社で多数の虫を飼っているため、脱走した「ガ」が社内を飛んでいるといったことまで暴露されてしまいました。これは本当の話で、虫の足取りを推測するには、まずは虫を知ることが最初の一歩。私たちが日常的に実施している地道な努力を皆様に知ってもらえて、恥ずかしいような、うれしいような、複雑な気持ちになりました。最後には、虫で作った食品にまで話が及び、兵藤会長は、ある程度の虫は食材として扱われていくだろうと述べています。およそ50年間にわたる害虫駆除の変遷を垣間見ることができる、おもしろい記事でした。
また、こんな言葉には、兵藤会長の人柄が出ていて、クスッと笑ってしまいました。
兵藤
小さい虫を顕微鏡で覗いていると、虫がこちらを向く瞬間がある。虫と目が合うと、やっぱりいまだにドキッてします(笑)。(同誌、p.249)
害虫防除のプロフェッショナルとして、私たちは、当社の基礎を惜しみない情熱で築いてくれた兵藤会長に続くべく、精進したいと思いました。そして、今後もこのような機会をいただけるよう、社員一同、真摯に業務に向き合ってまいりたいと思います。