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業界ニュース
🐭ねずみに噛まれた・触れたときに注意すべき感染症とは?
2025.10.08
近年、当社にはねずみの駆除に関するご依頼が増加しております。
ねずみは、咬傷(こうしょう)や排泄物、さらには体表寄生虫を介して、さまざまな感染症を媒介する可能性があります。
本稿では、ねずみによって感染する主な疾病と、その予防および対策について、専門的な観点から詳しく解説いたします。
ねずみに噛まれることで感染する病気
鼠咬症(そこうしょう)
ねずみに噛まれたり、ひっかかれたりすることで発症する感染症です。
原因は「鼠咬症スピリルム」や「モニリフォルミス」といった細菌で、ドブネズミやクマネズミなどが保菌していることがあります。
潜伏期間: 約5日〜2週間
主な症状:
- 発熱・頭痛・倦怠感
- 噛まれた部分の再腫脹や潰瘍化
- 合併症として気管支炎など
重症化すると死亡例も報告されており、特に高齢者や乳幼児は要注意です。
アナフィラキシーショック
ねずみに複数回噛まれることで、体がアレルギー反応を起こすことがあります。
ハツカネズミやハムスターに噛まれると、ねずみの体液や体毛中のたんぱく質に対して抗体が過剰反応し、アナフィラキシーショックを引き起こすことがあります。
主な症状:
- 呼吸困難
- 血圧低下・意識障害
- ひどい場合は命に関わることも
繰り返し噛まれたり、アレルギー体質の人は特に注意が必要です。
ねずみの排泄物で感染する病気
レプトスピラ症
ドブネズミの尿に含まれるレプトスピラ菌が原因の感染症です。
汚染された水や土を介して皮膚の小さな傷口や口から感染します。
主な症状:
- 高熱・筋肉痛・頭痛
- 黄疸(おうだん)
- 重症化すると腎障害を引き起こすことも
レプトスピラ菌は湿った環境や水中でも生存するため、公園や川原での水遊び中にも感染する恐れがあります。
家庭では、キッチンなどにドブネズミが侵入して排泄物が食品に混入するケースもあるため、衛生管理を徹底しましょう。
サルモネラ症
ねずみの糞尿に多く含まれる「サルモネラ菌」が原因です。
排泄物に触れた手や、汚染された食品を介して感染します。
主な症状:
- 嘔吐・下痢・腹痛
- 高熱
- 重症化すると脱水や敗血症の危険も
特に小さな子どもや高齢者、免疫力が低下している人は重症化しやすいため、注意が必要です。
ねずみの寄生虫が媒介する感染症
ねずみにはダニやノミなどの寄生虫が付着しており、これらが人に感染症を媒介することもあります。
例えば「ツツガムシ病」や「リケッチア感染症」などが代表的です。
ねずみを駆除しても、寄生虫対策を怠ると再発や健康被害が続く可能性があります。
確実な駆除を行うには、専門の害獣駆除業者への相談をおすすめします。
ねずみに噛まれたときの応急処置
- すぐに流水で洗い流す(数分間しっかり洗浄)
- 消毒液(イソジンやエタノールなど)で殺菌
- 清潔なガーゼで保護し、医療機関を受診
ねずみに噛まれた傷は、一度治っても後から再び腫れたり熱を持つことがあります。
感染症を防ぐためにも、必ず病院で診察を受けましょう。
まとめ:ねずみ被害を防ぐために
- ねずみを見かけたら早めの対策を。
- 駆除後は必ず消毒・清掃・再侵入防止を徹底する。
- 自力での処理が不安な場合は、専門業者に相談するのが安全です。