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業界ニュース
益虫・害虫の話 (2)〈Part 2〉IGR剤とその使い方
2024.03.15

人は、チョウバエと云う全く唯の虫を都市型害虫に変えてしまった。
この虫は、人に対する直接的な被害をもたらさないが、有害微生物を伝播しないと云える保証は出来ない。
その駆除は、発生場所や状況によって、適切な手段を選ばなければならない。殺虫剤による直接的な殺滅の方法もあるが、幼虫期に処理をして、成虫にさせない薬剤がある。
これを昆虫成長阻害剤(Insect growth regulator : IGR)と称し、昆虫幼若ホルモン様物質、キチン形成阻害剤などがある。
前者の製品には、スミラブ(ピリプロキシフェン)があって、ハエ幼虫での実験であるが、老熟幼虫に対するLC50値が、0.089ppmである。後者には、アルトシッド(メトプレン)があって、老熟幼虫に対するLC50が2.2ppmである。
IGR剤は、人畜に対する毒性は低く、限られた場所で成長する幼虫に適した薬剤である。尚、成虫は夜間活動性なので、ライトトラップを併用すると駆除効果が上がる。