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業界ニュース
益虫・害虫の話 (3)〈Part 2〉殺虫剤の使い方の基本
2024.03.15
「益虫・害虫の話」 (3) Part 2
―:殺虫剤の使い方の基本:―
施設で、問題虫が多発した場合には、何等かの処置が必要である。
防虫対策の基本は、予防処置で、それには3つの原則がある。
- 虫を発生させない。
- 虫を侵入させない。
- 虫を定着させない。
この3つである。
以上の措置は有効であるが、虫はしばしば「異常発生」や「迷入」と云う事態をもたらす。このような場合には殺虫剤による化学的防除が必要となる。
この手法は効果的ではあるが、殺虫剤は生理活性の高い化学物であるため、使用に際しては、用法・用量の厳守が不可欠である。
効果を上げ、安全性を確実にするためには、殺虫剤の施用から作用点到達までには、その経路があって、これが効力発現に大きく関与している事を理解することである。
この事を要約すると図の通りである。

この「施用」、「虫体表面到達」、「虫体内作用点」を理解する事で、適正使用が可能になる。なお、この詳細は回を追って解説する。
林 晃史氏
元千葉県衛生研究所次長
東京医科歯科大学医学部非常勤講師