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益虫・害虫の話 (4)(Part 2)殺虫剤はどのようにして効くのか

2024.03.15

「益虫・害虫の話」 (4)  Part 2
―:殺虫剤はどのようにして効くのか:―

殺虫剤は、有害生物管理には欠かせぬ材料のひとつである。これを有効、適切に使用するには、若干の知識が必要である。
この事の基本的な事は、前回、説明したが今回、殺虫剤の施用から虫体に到達するまでにどんな事があるのかについて説明する。
殺虫剤が本来の目的を課するためには、その使い方、施用方法や薬剤の基本的な性質と環境条件などが大きく関与する。
その中で、最も大事な事は、薬剤の使い方、即ち施用方法である。殺虫剤は撒けば効くと云うものではなく、対象となる虫の習性や発生状況によって、その方法を選らばなければならない。 その方法には、次のものがある。

1)施用形式・・・液剤散布、粉剤散布、粒剤散布、煙霧剤散布、燻蒸、燻煙、塗布、粉衣充てん、滴下、挿入、注射、注入、巻き付、及び毒餌などの方法がある。
この場合、注射を要するのは、薬剤の濃度、投与量、処理時間などである。また、施用のための器具および使用条件なども注意が必要である。
以上が、図(殺虫剤の施用から虫到達までの外的作用)の「施用」に当る所である。

2)薬剤の性質・・・これは、殺虫剤の性状でこれには物理的性質(相性、粒形、色、比重、融点、沸点、蒸気圧など)と化学的性質(化学的構造、臭気、溶解性、安定性、溶剤純度など)とがある。

3)環境条件・・・これには、気象的条件や被散布体の性質などがある。

以上であるが次回、対象虫を特定してその詳細を解説する。
薬の化学的性質理解していなかった為に、自殺者の救急治療時に、入院患者や治療関係者に中毒事故が起こった例がある。

林 晃史氏
 元千葉県衛生研究所次長
 東京医科歯科大学医学部非常勤講師

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